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今だからこそ見た映画”星の子”感想

※がっつりネタバレするので、ご注意ください。

もともとこの映画はいつか見ようと思いつつ見られてなくて。
安倍晋三と統一教会の話題でネットがもちきりの今だからこそ、見てみた。

PrimeVideoで見られるので暇な方はぜひ。

星の子

星の子

  • 芦田愛菜

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カルト宗教に関する知識は
大前提:個人の信教は自由だし侵害してはいけないと思っている。
具体的なインプットは、オウム真理教について警察庁の資料、江川さんを始めとする研究書籍少々、サリン事件の無線音声などで囓った程度。
他宗教はメジャーどころの書籍をざっと読んだくらい。
あとはこれまでの人生で関わってきた様々なカルト宗教の信者、二世が両手両足で数える程度。

あと、原作が本なので読んでみようと思っている。
地球上にある全ての原作本がある映画は、だいたい端折られてて美味しいところが全部無くなってるから。(クソデカ主語)

星の子 (朝日文庫)

一番大きな感想

見えないところは見えないままで終わったね。

これは2つあると思ってて、
1. 子ども視点で描いているから、嫌なところは全部見えないようにされている感覚がある。
作中の大人たちによる配慮というか、作者の意図というか。
だから配慮できない(する必要のない)先生は嫌なところを出してきた。
2. 結論を提示する作品ではない。ドキュメンタリーではないから。
善悪を決めるような作品では無いし、こと信教というのは善悪を決めてはいけないと考えている。

カルト宗教を批判するのも、宗教そのものを批判したらそのまま信者を批判しがちなんだけど、
悪いのは宗教の存在でも信者でもなく、騙してる人なので。
ブラック企業を批判するのに従業員を叩くのは違うのと同じ様なやつ。

見えないところ

感じられるところも色々あるんだけど、特に印象深かったのは
・回想の家と今の家
 とても分かりやすい。金を絞られている描写。
・食欲不振な主人公に対する親の心遣い
・喫茶店で4人で会話してるときの主人公と男児の対比、相似
 親によって育てられること、子どもは親を信頼していること、親が子どもを大事に思っているを感じさせるシーン。後述。
・先生の急な激昂
 赴任してそう時間が経ってないので、この一件で爆発したというより、先生の人生において積もったものを感じる。
 身内や知り合いにハマった人がいたんじゃないかなあ。
・終盤、親に会えないところで小雪みたいな女優に声をかけられるシーン
 恐らく事前に親から話を聞いているはず。
 畏敬と崇拝はこうやって作られる。

子どもを大事に思っているから

発端の発疹治療からラストシーンまで、親が一貫して子どもを大事にしているように見えるのが本当にキツい。
伯父さん一家も同じく主人公を大事にしているように見える。

ただ両親については、コンコルド効果が一定あるだろうことと、
会報に掲載されて人目に触れたことで引けなくなっている可能性があり。
伯父さん一家にしても、「身内からカルト宗教」という”汚点”を消したい。
そういう裏面が間違いなくある。

なんちゃら君が本当は喋れるんだよという問いかけに返答が無かったことから、
嫌がる娘に水をかけようとすることから、両親については確定でクロでしょ。

二世問題・”家族”問題

前置きしたように、僕は宗教そのものは一切悪いと思っていなくて、ある程度人生経験を積んだ大人が宗教に頼って生きる事は何も思わないし、人生が豊かになるなら最高じゃんと思っている。(犯罪や違法行為は当然除く)
ただ二世や家族、特に子どもについてはそうではなく(社会問題としては世の専門家が色々話してるので割愛)。

だからこそこうやって映画になるし、漫画になるし、ドキュメンタリーもいっぱいあるわけで。
カルト宗教がというより、親子関係のあり方についてまた考える切っ掛けになって、今回の事件についても別側面から考える機会になったので、この映画を見て良かったなーと思いました。
2時間弱で見られるので本当にオススメです。

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