タムロンから発売された強いスペックのズームレンズ、
TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD
少なくともスペックは非常に強いし、公式やユーザー作例を見た感じ、ゴースト以外はとても良い。
買い換えを考えてみた中で感じたことを色々書いていく。
比較対象は、
・以前使っていたSONY SEL24105G
・今使っているSIGMA 28-70mm F2.8 DG DN
の2本。
持ってないレンズだとTAMRONの28-75(最近新型が出た)とか、
SIGMAの24-70、SONYの24-70 GMレンズもあるんだけど、
自分が使ったことないものを語るのもアレなので。
サイズ感、持ち運び
※端数切り捨て。ソースは各公式サイト。
まず思うこととして、35150は一番デカくて重い。
24105Gから2870に乗り換えて非常に強く感じたのがコンパクトさ。
というか24105Gは、デカくて重いのがあまり好きになれず、小さいズームレンズに乗り換えたいという気持ちがずっとあった。
TAMRONの2875やSIGMAの2870が出た時はすごく衝撃的かつ魅力的で、今使っててもその良さを実感している。
加えて67mmというフィルター径の良さ。
フィルターはNDとブラックミストくらいしか使わないけど、
フィルター径の異なるレンズが増えるとお金がかかるし嵩張る。
この辺はTAMRONの大三元が全て67mmで統一されているのが優れているし、
単焦点で所持しているBatis 40/2、SONY 85F18も67mmなので使い回せるのが便利。
といった利便性を考えると、やはりSIGMA 2870の優秀さが際立つ。
(ただ、SIGMAはズームリングが逆回りなので、TAMRON 2875の新型に乗り換えたい欲はある)
TAMRON 35150はSIGMAの2倍以上重たいってことを考えると、ちょっとどうかな・・・と思ってしまった。
焦点距離の話
24mm、28mmって使う?という話で言えば、確かにあんまり使わない。
トリミングするための余白として生きる場面は確かにあるんだけど、
僕が撮るのは小物が多いので、パースが強く掛かる広角は避けがち。
実際よく使うのは85mmで、余計なものが映らないように撮れるので重宝する。
極端に寄らなければパースもつかず、望遠距離ほど平坦な感じにもならないので良い。
広角側
35mmってどれくらい広角なの?というと、この前撮ったこれは36mm。
こっちは31mmだけど、だいたいこんな感じという例で。
背景をある程度入れる&ボケを減らすために使うのが35mmなので、
35mmが使えると非常に使い勝手が良いと言える。
望遠側
SONY 24105Gの105mmというのは絶妙で、これのお陰で綺麗に撮れたよねという写真は確かにある。
パレードの写真を見てみる。
これらはいずれも105mmを1.5倍クロップして、約150mm相当にしたもの。
パッと見は悪くないけど、F4の暗さからISO感度(ノイズ)へ影響が出てしまい、結構補正をかけないとザラザラするしディテールが潰れる。
撮影当時はシャッタースピードを稼げなくて大変だった。
35150なら150mmのF2.8で撮れるというのは魅力的だし、
更にクロップして220mm相当まで伸ばせるのは異次元の便利さがある。
参考例として、TAMRON 70-180mmの180mm側で撮った写真も。
この背景はきったない部屋なんだけど、180mm F2.8の暴力で完全にボカしてしまえる。
ドールの頭身もちゃんと映せて、人っぽさを感じられやすい。
この辺は望遠の魅力だと個人的に思っていて、150mmでも同様にボケを得られるはず。
話をちょっと戻して、パレード撮りで70mmは無理なのか?というと意外にそうでもなかったりする。
クロップしてもこれだけ綺麗に描写できてるんだから充分だなって思っちゃう…。
(これはカメラがα7RIIIを使って解像度高く撮れてるからで、2000万画素レベルだとちょっと辛いと思う。)
写真の綺麗さというのは適切な焦点距離だけではなく、レンズの性能とカメラ本体の性能にも依存する。
一方でボケ感は焦点距離の暴力が純粋に機能するので、とにかく背景を溶かしたいなら焦点距離は長ければ長いほど気持ち良くなれる。
色々見てみて、現時点のまとめ
標準ズームの万能さを改めて感じた。
現在2.8通しを使っているユーザーは積極的に買い換える必要はないと思う。
単焦点や3.5のズームレンズを使ってるユーザーが検討する場合、
軽量さを優先するならSIGMAやTAMRONの2.8通しを買った方が良くて、
デカさや重さを許容して綺麗な写真を優先するなら35150を買った方が良い。
特に標準ズームと望遠ズームを両方買い揃えるくらいなら、1本で済む方が便利だしレンズ交換の煩わしさも無い。
新規ユーザーやこれからステップアップするユーザーにとって、強力な選択肢だなと思う。
2本で20万出すなら、1本で18万の方がお財布にも優しいしね…。
余談 手ブレ補正
SONY SEL24105Gには手ブレ補正が搭載されていて、確かにあれば便利。
なんだけど、カメラの手ブレを補正できたところで被写体のブレには関係ないんだよね。
それなら1段明るい2.8のレンズでシャッタースピードを1段早くした方が良いって思うことが多かった。
AF合焦の速さや動画時のAF制御は純正ならではの強さを感じたけど、SIGMAでもストレスに感じるようなことはないし、24105Gを選ぶ理由にはならない。